二年参り

神田明神へ詣でてからJAMにでも行くかという話もあったのだけれど、雪が(東京基準では)だかだか降ってきて、あまりの寒さに引きこもることにした。

「祐一祐一〜」
「ん、どうした名雪?」
「えーっとね、手を出して」
「なんだ、お年玉でもくれるのか?」
「それは明日になったらだよ〜」

ガチャリ

「……これは、何だ?」
「何って、手錠だよ」
「そんなことは見りゃ解るっ!俺は、何で、手錠をかけられなきゃならんのだと聞いているんだ!」
「だって、祐一毎年私を置いて二年参りに行っちゃうから。今年こそは一緒だよ?」
「毎年名雪が寝ちまうからだろ……」
「でも、こうして私と祐一の手を手錠で繋いでいれば、私を起こして一緒に行くしかないからね」
「ぐぁ……」

……

「なぁ、もういいだろ、これ外してくれよ」
「駄目だよ〜。これからが大事なんだから」
「あ〜、そうだ、年越しそば。これから年越しそば食べるんだぞ。これじゃ食べられないじゃないか。ほら、外してくれ、名雪」
「ん〜、解ったよ」
「おお、解ってくれたか名雪」
「それじゃあ、私が食べさせてあげるね」
「ば、莫迦、そんな恥ずかしいこと出来るかっ」