WHITE CHOCOLATE

「美佐枝さーん、チョコくれー」
「はぁ…開口一番がそれかい」
またノックもせずに人の部屋に入って。
「俺だけじゃない。きっとこいつも欲しいって思ってるぞ、な」
「にゃぁ」
同意の鳴き声。かな。
「莫迦ねぇ。犬猫にチョコレートは御法度でしょ」
たしか食べ過ぎると大型犬でも危ないはず。っったく、この子を殺す気かい。
「にゃぁ」
語尾が下がった。落胆の声らしい。
「む、それは知らなかった……ならばこいつの分まで愛を受け止めてやるからさ」
「にゃぁ」
こんどは同意。って、
「なに、あんたもそれでいいのっ!?」
「にゃぁ」
またまた同意。うそでしょっ?
「ほら、良いって。だからチョコくれー、下さい頂戴お願いします」
「にゃ」
完璧に息合ってるし。あんたたち、予めネタ合わせでもしたんじゃないの?
「しょうがないねぇ……しっかし、あんたたち仲が良いねぇ」
「ん、ああそりゃもう。俺たち美佐枝さんらぶらぶ同盟だもんな」
「にゃぁ」
顔を見合わせて頷き合う一人と一匹。はぁ、調子が良いんだから。
「まったく、おだてれば餌が出てくると思って……はぁ」
大げさにため息をついてみせる。

そしてあたしは用意しておいた猫も安心なホワイトチョコレートを取り出すのであった。

志麻くんと仲良くペット用チョコを食べる朋也。美佐枝シナリオだと朋也は猫化してる、かなぁ。