大人の女性と少女の共時性

「ふぁわ〜、よく寝た……もうこんな時間か」

今日は日曜、時刻は既に午後を回ってようやく目を覚ました俺は昼飯を求めて階段を下りる。

「ん?名雪の、制服……?」

ふと、チラチラと揺れ動く赤い色が視界に入った。名雪の制服だ。なにやらしきりに姿見を覗き込んでいるようだ。ふと、悪戯心が湧き上がる。俺は鏡に映らぬよう気をつけながらそっと足を忍ばせて接近した。もう少し……今っ!

俺は死角からさっと踏み出すと、背後から両手を回して抱きしめた。

「きゃっ!?」

抵抗はされなかった。手のひらに、腕に伝わるしっとりと柔らかい感触。俺はこの素晴らしい感触をもっと貪ろうと手を動かしながら耳元で囁いた。

「今日は秋子さんと同じみつあみだな……悪くないぞ」

「ありがとうございます、祐一さん」

と、動揺のカケラも感じられないような落ち着いた反応が返ってくる。

「なんだ、喋り方まで秋子さん……みたい……って、秋子さん!?」

「はい、私は秋子です」

俺は今腕の中にいる女性が名雪ではない事に気付いて文字通り飛び上がった。
目の前で振り返って見せるその女性は……たしかに秋子さんだった。

「男の人にに身体を触られるのは随分久しぶりですから、少し驚いてしまって……」

「全然驚いたようには見えないんですけど……あ、いや、てっきり名雪かと思ってその」

秋子さんの落ち着き払った態度にかえって恐怖感を覚えつつ、しどろもどろになりながらの弁解を試みる。

「まあ、お上手ですね、祐一さん。ところで、名雪とは普段からああいうことを……」

「あ、あは、あはははは」

うわっ、薮蛇だった。俺は愚かにも死刑執行の書類に自ら署名してしまった事に気付き、がっくりとうなだれる。

「祐一さん」

思わず背筋が震える。秋子さんはそっと両手を伸ばして俺の手をそっと握った。
ああ、ごめんなさい。ぼくはあなたの目を盗んで大事な娘さんにあんなことやこんなことを――

「名雪、今日は帰りが遅いそうです」

「は?」

叱責を覚悟していたのに……秋子さんの予想外の言葉に思わず顔を上げる。
秋子さんはニッコリと笑みを浮かべると握っていた手を離して一歩下がる。

「私も随分御無沙汰ですが――」

くるん、と秋子さんが身を翻した。もういちど秋子さん自身の姿を見回して……鏡越しに視線が合った。モデルがとるポーズのように、片腕を腰に、上半身だけ振り返る。

「まだまだ私も現役で行けますよね?」

その時、秋子さんがニヤリと笑みを浮かべる光景を俺は目撃したのだった。

サブキャラマンセーって、主題と関係ない所に暴走してるしorz

……で、この二人を見るに、ポイントは「手」ですか。やっぱ頬に手を当てて首をちょっとかしげたりして権藤監督っぽいのが効いてるのかな。

例のトップ絵の眼鏡っ娘の手元も、ちょっと袖が長いのが幼い風味ですし。もちろん塗りとか、胸サイズとかいろいろありますでしょうけど。

ところで、この女の子、ラフの時よりは大人っぽく感じる方がいるということで、あ、自分と逆の感想だなと意外に思いました。私は、塗った絵の方が幼さを強く感じたのであります。

まあラフというのはいわば未完成で情報が不足している状態ですから、それを鑑賞する人間の側でどう補うのかによって随分と見え方が違ってくるのかな、とか。それから、ラフの時点でガッツリ描き込まれていたメガネの補正効果で年齢が上に見えていたのが、その他の細かい所まで描写されるに従って本来の想定年齢相応に見えてきたという風に解釈してみたり。ちなみに、「お前が眼鏡ばっかり見つめてたからだろ」とかいうツッコミは不許可ですよ。