長門有希の確率

「で、実際のところはどうなんだ?」
 俺が問い掛けると、長門はしばらく明後日の方向を向いたまま固まっていたが、しばらくすると何やら定規みたいなシロモノをポケットから取り出して弄り始めた。
「私は計算尺の有希」
何のことかさっぱりわからん。
「私は数字しか信用しない」
「やあ、長門裕之とは随分マニアックですね。流石は長門さんです」
古泉、おまえは黙っていろ。俺は手を振っていつもの長広舌を揮いそうな古泉を抑えた。たしかにこいつは人間計算機みたいな存在かもしれんが、まさか本当にそんな安直な由来なのか?
「……それは禁則事項

案外真相かも、と思わないでも無い