Tristain expects that every man will do his DUTY

 それは突然の出来事であった。
「敵騎直上、急降下!」
 見張員の絶叫に、アンリエッタは顔色を蒼白にして立ち上がる。アイランドから見渡す甲板上は、今まさに飛び立たんとしている竜騎士達――新たに発見した敵艦隊に向かう第二次攻撃隊――でごった返していた。トリステイン・ゲルマニア連合艦隊は攻撃隊の発艦という最も無防備な瞬間を奇襲されたのだ。



 才人は呆然と立ち尽くしながら、ルイズが女王付きの女官として竜騎士隊に訓示するのを聴いていた。彼女は、退艦に際してアンリエッタから賜った言葉を隊員達に伝えていたのだ。
 才人はアンリエッタの笑顔を思い浮かべて歯を噛み締める。直撃弾を受けて爆発炎上するヴュセンタール号の甲板で、ゼロ戦への同乗と退艦を勧める才人にアンリエッタは首を振って謝絶した。艦内で発生した火災の消火に自分の魔法が必要だと言うのだ。だが、ガソリン庫に火災が廻れば、彼女の水魔法でも効果があるとは思えない。そう告げる才人に彼女は微笑むと、ルイズに二言三言託けてから改めて退艦を命じた……

「大丈夫よ」

 気が付くと、何時の間にかルイズが傍らに立っていた。既に訓示を終え、艦長に後を継いでいた。この艦長は旗艦の被弾を見るや、「我、航空戦ノ指揮ヲ取ル」の信号旗を掲げて敵艦隊に向けて突進を開始した勇猛な士官だ。今、攻撃隊が向かうべき敵部隊について説明を行っている。

「攻撃隊の目標を伝達する。第一目標、竜母。第二目標、竜母。第三目標、竜母!」

 居並ぶ隊員たちからおお、とどよめきがあがった。誰もが興奮した様子で、旗艦の被弾に対して復仇を誓っているようだ。才人は面をあげてルイズの瞳を見つめた。そう、ルイズの言う通り、アンリエッタは無事に違いない。彼女は才人の帰りを待つと言って送り出したのだから。出撃して、敵を一掃し、そして彼女の元に凱旋する。才人は自らの決意を示すようにルイズに頷いてみせると、マストに翻る信号旗を仰ぎ見た。才人には理解できない連なり。だが、その意味するところは才人も十分に理解していた。

今は只、為すべき事を為すだけであった。

杉田さん上京合わせで週末は呑み。面子はおりくらさんいながわさんSu-37さん。でgdgd展開に。諸氏に色々聞きつつ、破壊の杖の回と、ゼロ戦回収の回と最終回(とWikipedia)しか見たことのない私ですが、ゼロの使い魔ってこういう話でおけ?