双方連続王手の千日手

面白い問題だが、結構難しい。個々の証明は追えても全体像として、どこまで行っているのか掴みきれないのと、(人の頭の中身というのは他人にはわからないモノだ)記事が複数日またがってしまい「定理」の参照がしにくいので、途中まで自分の理解をまとめる記事をうp。

まず、王手の分類表を作っておき、定理によって弾かれる着手を見ていくことにする。下記は今のところ考え付いた王手のパターン。これがどこまで消えたか、追っかけていく。


表1 王手分類表

駒  打直 打間 移直 移間 移空 取直 取間 取空 両 
× × ×
× × × × × × ×


駒は小駒(香以外の、合駒不能な小駒)、大駒(飛角香)、王の三種。
直:直接王手(直接ぶつける、合駒不能な王手)
間:間接王手(離れた位置からの合駒可能な王手)
打:持ち駒を打つ
移:盤面の駒を他の駒を取らずに指す
取:盤面の駒で相手の駒を取りながら指す
空:空き王手
両:両取り



1.王の移動禁止(王空、王空取が×)
やねうらおの第1定理(以下、定理1)により、王の空き王手ではループにならない
千日手は同一手順3回とか同一局面4回とかあるが、結局はループを形成出来さえすればよい。ループが繋がるかどうかが問題)。この定理はかなり厳しい縛りで、強力と思われる。これで二つ消えた。



2.両王手禁止(小両、大両が×)
定理1から、王が移動禁止のため両王手も禁止となる(定理8)。また二つ。



3.小駒の移動による王手禁止(小移直、小取直が×)
定理10の文章による説明が少し解りにくかったので、ちょっと考えをまとめてみる。
・ループ中に直接王手があったとすると、その次は必ず取る手である(定理9)。
・取った側は駒台に駒が移動してしまうので、これを相手に返さなければ元の局面に戻らない

このようにして、小駒aの直接王手から手を考えると、


▲aで(打/移/取)直 → ▽aを取(直/空) → 中略 → ▽aを打直 → ▲aを取(直/空) → 中略 → ▲aを打直


小駒aを盤面に打つ際には直接王手にしかならず、これは直ちに相手に取られるためaで(移/取)直は不可能である。▲がaに関してループを形成できるとすれば、結局「打直」だけが残る(定理10)



4.中間まとめ
相手方の応手を制限するにとどまる定理は別途。とりあえず使用不能になって消えた分を反映した表を最後に。



表2 使用可能な着手

駒  打直 打間 移直 移間 移空 取直 取間 取空 両 
× × ×
× × × × × × ×


今後の展開として、小駒の王手が全て消えたら(嫌な動きをする桂馬が居なくなるので)楽になるのだろうか。