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午後の紅茶

「いちご、いちご」 「今日も今日とていちごサンデー、か……ん?」 「どうしたの、祐一?」 「ブリリアントな午後……」 「何それ?……あ、美汐ちゃんだ」 「土曜の昼下がり紅茶を飲みながら本を読む優雅なひととき」 「美汐ちゃん、私より年下なのに落ち着いて…

「なあ、天野。やっぱり白身からだんだん味の濃いネタにしてくのがいいのか?」 「はい、確かにそのような意見が多いようですね。濃い味の鮨の後では薄い味が解らなくなってしまうので。ですが、お茶やガリは前に食べた鮨の味を消してくれますから、お好きな…

受難

「いひゃい……」 「どうしたの、真琴?……あら」 「お邪魔します」 「ああ、あがってくれ」 水瀬家を訪れた美汐を、祐一が向かい入れた。いつもは玄関まで駆け出てくる真琴が今日は姿を見せない。リビングに入ると、真琴は頬杖をついて窓の外を眺めていた。真…

窓の外では雪がしんしんと降っていた。ひとりごちる。 「雪、積もってるな」 「そうだね」 慌てて振り向くと、いつのまにか名雪が俺の背後に立っていた。俺の顔を覗き込んでにっこりと微笑む。 「どうしたの?」 「あ、いや……」 俺は曖昧に答えると、再び窓…

プール

青く透明な視界を水面から入射した光がゆらゆらと照らしていた。 ふと、何故水は青いのだろうか?と疑問に思う。 もちろんそれは水が赤色や黄色といった波長の長い光を吸収し、短波長の青色を散乱するからだ。教科書通りの答え。 「ならば何故青色は青く見え…

「お誕生日、おめでとうございます」 「うん、美汐ありがとっ」 「プレゼントはあれで良かったの?真琴。何かもっと欲しいものがあれば……」 「ううん、真琴とっても嬉しいよ」 「そう……良かった」 「でも、今欲しいもの……はあるけど」 「相変わらず強欲な奴…

にぎにぎ

――こんなこと、栞や名雪に知られたら あたしは心臓の鼓動が速くなるのを自覚していた。伏目がちにソレを見る。ソレは想像していたのと比べると細身だった。あたしは恐る恐る手を伸ばし、柔らかさと固さが相半ばする感覚に戸惑いながらソレをそっと握る。そし…

SS

カテゴリSSで書いてみたが、自分の書いたものは某板住人的にはシチュエーション(シチュ)と呼ぶものだよな……と考え直してみる。さて、どうしたものか。

おみくじ

>304 : 【大吉】 【1704円】 :05/01/01 12:19:50 id:Akf0TmEo 「やりました!大吉です!」 「おー、良かったじゃないか天野。なになに、絶好調の年。トラブルも大切な人の助けで乗り切り、かえって仲が深まる。積極的に行動すべし……か」 「やだ、相沢さん…

二年参り

神田明神へ詣でてからJAMにでも行くかという話もあったのだけれど、雪が(東京基準では)だかだか降ってきて、あまりの寒さに引きこもることにした。 「祐一祐一〜」 「ん、どうした名雪?」 「えーっとね、手を出して」 「なんだ、お年玉でもくれるのか?」…